鉄分が不足すると起こる症状について、薬剤師とゆったりお勉強

しるみんです。

今回は、鉄分が不足すると、どんな症状が起こるの?という疑問に
答えていきたいと思います。

知ったか生化学 -鉄分の所在は血肉にあり-

鉄分は、赤血球を構成するヘモグロビンというたんぱく質や、
筋肉を構成するミオグロビンというたんぱく質に含まれます。
「血肉になる」という言葉がありますが、まさに鉄分の使いみちのような言葉です。

赤血球は、呼吸で得た酸素を血流に乗せて全身に運びます。
人の呼吸は、ほぼイコール肺呼吸なので、当然ですが、これなしでは不可能です。
生化学の見地から、酸素を必要とせずにエネルギーを産生することもできますが、
これは反応系一つを切り取っただけにすぎず、
生命体そのものが無酸素で生きていける、ということは極めて稀です。

これは、地球が今の状態になり、大気中に豊富な酸素を持つようになったのに合わせた、
ある意味当然の進化なんだと思います。
しるみんの私見ですが、むしろ、酸素を使わずに生きていく生物は
淘汰されていったのかもしれません。

…細菌類には、むしろ酸素があると生きていけないものもいたりしますが、
ちょっと別の話ということで。

それで、鉄分が足りないとどうなるの?

話が大きくなってしまいました。

鉄分の不足により赤血球が仕事をきっちりできない、というのは、
酸素が少ないところで生きることとほぼ同じと言えます。

息苦しさはもちろんのこと、全身の冷感、血色の悪化、頭痛、めまいや吐き気、
頭がボーッとするなど…起こりうる症状はたくさんあります。

筋肉の収縮は、それ自体が熱を産生しますし、エネルギー代謝に欠かせません。
人間の動きも筋肉なしでは、やはり生命活動を行うことができません。
意識的に動かせる、手や足、首の筋肉などの他、
心臓のリズムを一定に刻む心筋など、意識的に動かせない筋肉もたくさん存在しています。

鉄分が不足すれば、だるさや筋力低下といったことも起こります。
おそらくもっと重篤な症状が先に来ると思いますが、
心筋にだって影響が出ることも考えられます。

バランスの良い食事を続けていれば、
激しい鉄欠乏性貧血になることは少ないかもしれません。
ですが、貧血は体の中に入る鉄分と出ていく鉄分の収支で起こりえます。
食べ物からの摂取量よりも、生理や消化器の出血などで知らない間に失血している場合、
思いのほか貧血が進行している、ということは十分あり得ます。

そんなもの食べるの?鉄分不足と関係なさそうな症状

病気としての鉄欠乏性貧血が進行すると、爪が正常な方向と逆向き、
つまり手のひらを下にして指を伸ばしたときに、
爪の端側が上にそる、スプーン状爪という症状がおこります。

他にも、鉄欠乏性貧血の方が起こりやすい症状として異食症というものがあります。
書いて字のごとく、ですが…食べ物以外を食べる病気です。

日本ではほとんどが「氷食症」、つまり氷を食べる病気として知られます。
「氷なら、私も食べますよ?暑いときとか、ガリガリやっちゃいます。」
という声が聞こえます。

そうですね。しるみんもガリガリやっちゃいます。
飲み物に入っている氷をかじる程度なら、生活を送る上でも問題にはならないでしょう。
氷食症が進行すると、氷を食べるためだけに製氷皿を用意して平らげるとか、
氷を食べずにはいられないという状態が強くなります。

…量はともかくとして、氷ならまだ良いかもしれません。
報告されている異食症には、紙、髪、土など…
少なくとも食事でとるものではないものもあります。
かなり極端な例とも言えますが、
実際にこれらは「鉄分が不足していることで起こる症状」として知られています。

セルフチェックをしてみよう

病院で先生に「あっかんべー」をしたり、
目の下をひっぱられたり、という覚えはありませんか?
これは、下瞼の血色を見たり、舌の状態を確認するときに行われます。
貧血の症状で、舌がツルツルになるというのもあるそうです。

ご自身でチェックするのは、やはり爪を見るのが簡単でいいですね。
上で書いたようなスプーン状だったら即病院で相談をおすすめします。

貧血治療には時間がかかる

残念なことに、医師の先生がたでも、
貧血症状がでると割と安易に鉄分の薬を出したりします。
また、成人の場合、鉄欠乏性貧血の状況にもよりますが、
治療に数か月~半年など、月・年単位での治療が必要になることもあり、
「鉄分の薬を飲み始めたから、すぐ貧血が治りました」ということにはなりません。

これは、血液の中の鉄分が急激に減りすぎることのないように、
通常、貯蔵鉄と呼ばれる鉄分をストックするたんぱく質が先に鉄分を失うからです。
貯蔵鉄が底をついた段階から、真の貧血が進行します。
貧血の症状があらわれるのはそのタイミングからです。

逆に治療をする場合は、
貯蔵鉄までしっかり鉄分を行きわたらせる必要があるため、時間がかかるのです。

そのため、本当に鉄欠乏性貧血なのか、
鉄分の補給で症状が改善するのか、判定が難しいところでもあります。

他にも貧血を起こす原因はたくさんあります。
鉄分の薬や食生活をある程度の期間続けていても効果が出ない場合は、
別の原因があるかもしれません。

まとめ

鉄分は、体の細胞にとって欠かせないミネラルです。
鉄分の喪失は軽微なものから、生命活動の危機にまで及びます。
あなたの症状が本当に貧血なら、鉄分の補給で症状は改善するでしょう。
そうではない場合は、通院を重ね、原因の見極めが必要です。

長くなってしまいましたが、今回はこの辺で。
もっと上手にまとめられるようになりたいものです。

しるみんでした。

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